「言語生成論・新仮説」の3番めは、「表象言語」の生成状況です。
表象言語とは、人類が「身分け」し、「識分け」した対象を、コトバやシンボル(絵や形)によって「言分け」する行為です
いいかえれば、意識が把握し、モノコト界でゆらゆら浮遊している象徴言語を、より明確なコトバやシンボルに置き換え、コト界を創り上げるコトバ、といってもいいでしょう。
【言語6階層説】では、この段階を「自然言語」と名づけていましたが、今回の新仮説では、「言語」という概念に音声言語や文字言語に加え、ジェスチュア(動作)、シンボル(形象)、デザイン記号(表号)を含めた「言語群」として使っていますので、「現象を表わす」という意味で「表象言語」に変えています。
このような表象言語を言語群に位置付けたうえ、前々回、前回に続き、水流に身を晒す人間の立場を先行事例として、具体的な内容を考えてみましょう。
➀動作言語:gesture・・・両手で水を受け止める 流れる水流を両手でくみ上げ、飲み物であることを身振りで示します。 ➁音声言語:voice・・・ミズ、ナガレ、ウオーター 流れる渓流の勢いをミズ、ナガレ、カワ、タキなどと音声で表します。 ➂形象言語:metaphor・・・水平、平等、透明、冷静 水という現象から、水平線=平等、水中=透明感、冷水=冷静さなどを表現します。 水、水滴、流れなどという現象を、単純化したパターンや記号として表現します。 ➄文字言語:character・・・ミズ、みず、水、water 水、川、海などの現象を単純化した記号(心象文字)を、読み書きできる文字に変えます。 |
以上のように表象言語の生成過程を読み解くと、「身分け」と「識分け」が捉え、「言分け」初期の象徴言語の掴んだおぼろげな現象を、本格的な「言分け」によってさらに凝縮化し、動作言語、形象言語、表号言語と連動しつつ、音声言語と文字言語を確立させたものと思われます。
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