グローバル・レシプロシティーの構築プロセスを考える前提として、「次の時代、工業後波の生産構造や経済構造はどうなるか?」を検討しています。
前回述べた人口波動の前期と後期の関係から推理すると、世界人口が再び増え始めると予想される、22世紀の「工業後波」では、【ル・ルネサンスは工業後波をめざすのか?】に示した如く、次のような特性が予想できます。
①識知では、科学(Science)から統合的科学(Omniscience)へ進展します。 ②技術では、粗放的機械生産から集約的機械生産へ進展します。 ③生業で、工業・分業化から工業・統合化へ移行します。 ④共同体では、企業・都市・国家から3団体+新共同体へ移行します。 |
時代識知では、現代の分節・分析型科学から、合節・統合型科学への転換が進んでいきます。
それに伴って、生産技術においても、ハード中心であった物的生産技術から、人工知能や制御技術の主導する知的生産技術への転換が進みます。
となると、生産構造においても、食糧・資源はもとより生活資材や社会機能、さらには教育・医療・情報などのサービスに至るまで、人間主導労働から知産主導労働への転換が進んでいきます。
人間の労働力が中心であった生産構造から、知的生産物の労働比重が高まる構造へと、大幅な移行が進むというわけです。
こうした展望を前提にすると、生産を担う共同体としても、これまでの企業はもとより、税による再配分を担う国家や都市に加えて、新たな生産共同体への期待が高まってきます。
おそらくそうした共同体の一つが、グローバル・レシプロシティー(地球的互助組織)として成長していくものと思われます。