グローバル・レシプロシティー(Global Reciprocity)という言葉で、地球民全員の参加する互酬制度の構築を考えています。
これに対し、「この英語はすでに別の意味で使われている」とのご指摘がありましたので、WEB上で確かめてみました。
確かにアメリカでは、global
reciprocityという言葉で.「相手国の市場開放の度合いに応じて、その相手国がアメリカから利益を得ることができるとする、アメリカの通商政策」を意味しているようです(現代人のカタカナ語辞典)。
なるほど、「相互主義:
principle of reciprocity」という言葉自体は「外交や通商などにおいて、相手国の自国に対する待遇と同様の待遇を相手国に対して付与しようとする考え方」、あるいは「外国人の権利に関して、その外国人の本国が自国民に同等の権利を与えることを条件とする考え方」を意味しています(Wikipedia)。
またマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボラトリーの研究報告「Detecting reciprocity at a global scale:地球規模での互恵性の検出」でも、「互恵性は、国民国家のようなより大きな人間の集合体間の安定した協力の根底にあるのでしょうか? 既存の研究では、少数の国別ペア間での互恵性に基づく協力しか検出されていません。我々は、力学系における相互影響を検出する新しい手法を、時間分解で記録する新しい大規模データセットに適用し、国際システムにおける多くの国ペア間の互恵性を検出しました。これらの相互ペアは、非相互のペアと比較して質的に異なる協力ダイナミクスを示すことを発見しました」(SCIENCE ADVANCES:3 Jan 2018)と述べて、reciprocityを国家間の課題だと見なしています。
これらの定義では、Global
Reciprocityとは、国家間の互酬・互恵制を意味しており、地球民個々人の間の互酬・互恵制には未だ至っていないようです。
一方、ワシントン大学の学者や学生らが推進する「The Global Reciprocity Network」という組織もあります。この組織は「グローバルサウスの人々の知識を大切にし、高等教育、特に留学プログラムにおける不平等に立ち向かう教育者と活動家の国際的なネットワークです。私たちは公平なグローバルパートナーシップへの障壁を検討し、互恵性と知識交換の実践を構築します」と宣言しています。
この組織もまた、学生や学者など、主に教育面でのreciprocity実現を目標にしており、地球民一般にまでは届いていません。
以上のように、Global Reciprocityという英語は、国家間や教育面での互酬・互恵制を意味するものとして、これまでは使われてきました。
しかし、これらの延長線上で、国家から教育関係者へ、さらには一般の地球民へと、生活資源の互酬・互恵制を広げていくことは、決して無理ではないと思います。
そうした意味こそ、Global Reciprocityという英語の担うべき、本来の目標ではないでしょうか。
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