先学諸賢の研究では、過去の人口変動について、3~5回の急増期やサイクルが指摘されており、その背景として気候変動や文明革新などの影響が挙げられています。
超長期的な人口推移には波があり、それは地球環境や技術革新によって、その人口容量が何度か増加した、ということです。
これらの諸説を参考にしつつ、「人口波動説」でも、先に述べた3つの公準の3番めで「人口容量の規模は、文化や文明による自然環境の利用形態によって決定される」を定律しています。
この定義によれば、「人口容量」は次のように定式化できます。
V(人口容量)=N(自然容量)×C(文明)
超長期的な人口推移には波があり、それは地球環境や技術革新によって、その人口容量が何度か増加した、ということです。
これらの諸説を参考にしつつ、「人口波動説」でも、先に述べた3つの公準の3番めで「人口容量の規模は、文化や文明による自然環境の利用形態によって決定される」を定律しています。
この定義によれば、「人口容量」は次のように定式化できます。
V(人口容量)=N(自然容量)×C(文明)
これを世界の人口容量に準用してみると、
世界の人口容量=地球の自然容量×文明
という式になります。
先学諸賢の考察では、人口波動の要因について自然環境の変化を指摘する意見も少なくありません。
そこで、自然環境の中で最も影響が大きいと思われる気候変動の影響を考えてみましょう。
下図は「グリーンランドの氷床コアから復元された過去15万年間の気候変動」であり、地球の温度差によって氷河・氷床の量が変化した結果を示しています。
寒くなると氷床は拡大し、熱くなると縮小しますので、グラフの上下によって気温の上下がわかります。
この図の10万年前からの推移を、現在値を100として0~110に換算したうえで、横軸:逆対数のグラフに描き出してみると、下図の上のようになります。
これを人口波動図(横軸:逆対数、縦軸:正対数)と比べてみると、次のような指摘ができます。
①40000年前ろからの気温上昇に伴って、第1の波は徐々に上昇しています。
②15000年前ころからの気温急上昇にのって、第2の波が浮上した可能性が指摘できます。
③10000年以降は現在とほぼ同じ水準が続いていますが、それにもかかわらず、第3、第4、第5の波が生まれています。
②15000年前ころからの気温急上昇にのって、第2の波が浮上した可能性が指摘できます。
③10000年以降は現在とほぼ同じ水準が続いていますが、それにもかかわらず、第3、第4、第5の波が生まれています。
このことから、気温変化の影響は原始的な社会の人口容量には大きく影響したものの、その後の社会にはあまり影響しなかった、といえるのではないでしょうか。
逆にいえば、 第3~5波は温暖な地球環境の中で、順番に拡大を繰り返してきた、ともいえるでしょう。
つまり、【世界の人口容量=地球の自然容量×文明】の数式において、人類増加の初期段階では前者の「自然容量」が大きく影響していましたが、その後は次第に後者の「文明」の方が力を増してきた、ということです。