21世紀の日本人口は、増加圧力と減少圧力のせめぎ合いの中で、人口回復の糸口を探っています。
増加圧力とは、人口容量と実人口の間に生まれるゆとりです。
日本人口は2008年に史上5番目の人口容量の上限=12,800万人にぶつかって以降、徐々に減少しているため、容量との間には少しずつゆとりが生まれています。
現に2017年8月1日現在、総人口は約12,677万人で、123万人ほどのゆとりが生じています。
このゆとりは、今後数10年間、人口の減少に伴って次第に広がっていきますから、人口抑制装置の作動を緩め、今後は上図に示したように、増加の圧力を高めていくものと思われます。
一方、減少圧力とは人口抑制装置の継続です。
抑制装置は、人口が人口容量の上限に近づいた、20世紀の後半から徐々に作動し、今もなおも継続しています。
人口抑制装置は一度作動すると、ゆとりが生まれた後も簡単には緩まず、先に【人口は再び増加する!】で述べたとおり、早くとも2030年代まで続いていくからです。
このように、21世紀の日本人口には、増加圧力と減少圧力の両方が潜んでいます。
今のところ、後者の方が強いため、数十年間は減少していくと思われています。
しかし、抑制装置の継続を少しでも抑えることができれば、その分、減少を抑えたり、うまくいけば回復させることもまた不可能ではありません。
それにはどのような対策があるのか、改めて考えていきましょう。
2017年8月29日火曜日
2017年8月18日金曜日
牛乳石鹸CMの炎上で人口抑制が進む!
人口抑制装置の作動している社会を象徴するような事象が、WEB上で起こっています。
6月にYouTube上で公開された、牛乳石鹸のWEBムービーCM「与えるもの」篇です。
批判派の主張では「意味不明」「大変不快!」「もう買わない」などと、否定的な文言が並んでいますが、一方では「すごく共感」「一応わかるよ」「お父さんの応援ムービー」などと評価する意見も散見されます。
CMのデキはともかく、これだけ騒がれたのですから、提供者や製作者としては十分満足されていることでしょう。
ともあれ、賛否激論の中身を探っていくと、人口減少の進む社会の構造がまざまざと浮上してくるような気分になります。
整理してみると、次の3つがポイントです。
①増子化、あるいはコダルト化の進行・・・平均寿命の延長に伴って、子供時代の上限が30~40代にまで上がっている。
②世代間のギャップの拡大・・・55歳前後の谷間世代を境界として、生活価値観(=期待肥大値)が大きく変化している。
③期待肥大値の拡大で抑制装置が作動・・・子供に対する親の責任水準が高まるにつれて、出産を抑えようとする傾向が高まっている。
人口抑制装置が作動するのは、人口容量が伸びなくなった時代に、増加時代の生活価値観(期待肥大値)をなおも続けようとする人々が引き起こす、さまざまな軋轢のためです。
それは決して悪いことではなく、人口容量に適切に対応していこうとする生物の知恵を示しています。
こうした意味で、批判派の不快感は勿論、肯定派の共感もまた、人口を抑制する装置を動かしているといえるでしょう。
牛乳石鹸CMの炎上事件は、現代日本の気分、あるいは感情状況をまさしく象徴しています。
6月にYouTube上で公開された、牛乳石鹸のWEBムービーCM「与えるもの」篇です。
2か月ほど経って、SNSなどで批判や罵倒が広がっていますが、一方では援護や容認も現れて、この数日間はまさに“炎上“状態です。
批判派の主張では「意味不明」「大変不快!」「もう買わない」などと、否定的な文言が並んでいますが、一方では「すごく共感」「一応わかるよ」「お父さんの応援ムービー」などと評価する意見も散見されます。
CMのデキはともかく、これだけ騒がれたのですから、提供者や製作者としては十分満足されていることでしょう。
ともあれ、賛否激論の中身を探っていくと、人口減少の進む社会の構造がまざまざと浮上してくるような気分になります。
整理してみると、次の3つがポイントです。
①増子化、あるいはコダルト化の進行・・・平均寿命の延長に伴って、子供時代の上限が30~40代にまで上がっている。
②世代間のギャップの拡大・・・55歳前後の谷間世代を境界として、生活価値観(=期待肥大値)が大きく変化している。
③期待肥大値の拡大で抑制装置が作動・・・子供に対する親の責任水準が高まるにつれて、出産を抑えようとする傾向が高まっている。
人口抑制装置が作動するのは、人口容量が伸びなくなった時代に、増加時代の生活価値観(期待肥大値)をなおも続けようとする人々が引き起こす、さまざまな軋轢のためです。
それは決して悪いことではなく、人口容量に適切に対応していこうとする生物の知恵を示しています。
こうした意味で、批判派の不快感は勿論、肯定派の共感もまた、人口を抑制する装置を動かしているといえるでしょう。
牛乳石鹸CMの炎上事件は、現代日本の気分、あるいは感情状況をまさしく象徴しています。
2017年8月8日火曜日
人口抑制装置を緩められるか?
人口容量のゆとりが拡大するにつれて、人口回復の可能性が高まってくると述べてきました。
この実現性を当ブログの基本的な論理である「人口抑制装置」の視点から、改めて検討してみましょう。
結論を先に述べますと、「ゆとりで装置が緩むのは2030年代から」ということになります。
人口の実数ではゆとりが生まれますが、国民の価値観=総期待肥大値でゆとりが生まれてくるのは2030年代になるからです。
先に【人口は再び増加する!】で触れましたが、総期待肥大量は現在、1億6000万人の規模にまで膨れ上がっており、人口容量に多少の余裕が生まれた程度では、人口抑制装置を緩和するまでには至りません。
緩和できるのはいつ頃になるのか。下図に示したように、人口減少と年齢構成の変化に伴って、2030年代になると、ようやくこの値は1億2800万人を切ることになります。
そうなると、本質的なゆとりが生まれてきます。
2030年以降、人口容量に本格的な余裕が出てくると、徐々に影響が出てきます。
それによって、一方では一貫して落ちていた出生率が上がり始め、他方では上昇傾向だった死亡率が少しずつ緩み始めて、2050年頃にようやく下がっていく可能性が生まれてきます。
果たしてこれが実現できるものなのか、人口抑制装置の作動を緩和する条件を、もう一度考えていきましょう。
この実現性を当ブログの基本的な論理である「人口抑制装置」の視点から、改めて検討してみましょう。
結論を先に述べますと、「ゆとりで装置が緩むのは2030年代から」ということになります。
人口の実数ではゆとりが生まれますが、国民の価値観=総期待肥大値でゆとりが生まれてくるのは2030年代になるからです。
先に【人口は再び増加する!】で触れましたが、総期待肥大量は現在、1億6000万人の規模にまで膨れ上がっており、人口容量に多少の余裕が生まれた程度では、人口抑制装置を緩和するまでには至りません。
緩和できるのはいつ頃になるのか。下図に示したように、人口減少と年齢構成の変化に伴って、2030年代になると、ようやくこの値は1億2800万人を切ることになります。
そうなると、本質的なゆとりが生まれてきます。
2030年以降、人口容量に本格的な余裕が出てくると、徐々に影響が出てきます。
それによって、一方では一貫して落ちていた出生率が上がり始め、他方では上昇傾向だった死亡率が少しずつ緩み始めて、2050年頃にようやく下がっていく可能性が生まれてきます。
果たしてこれが実現できるものなのか、人口抑制装置の作動を緩和する条件を、もう一度考えていきましょう。
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