2017年6月28日水曜日

生産性の上昇で労働力の減少をカバーする

新しい年齢区分の適用で生産年齢人口を56%台で維持し、さまざまな労働参加策の向上によって労働力率を60%台に引き上げることができれば、GDPの維持はさほど困難なことではありません。

しかし、労働力人口が減っていくことは避けられませんので、もう一方では、労働者1人当たりの生産性を上げていくことが必要になってきます。私たち日本人の労働生産性は現在、どの程度なのでしょうか。

(公財)日本生産性本部の「
労働生産性の国際比較」(2016年度版)によると、次のように位置づけられています。



①日本の労働生産性(2015年)は74,315ドル(783万円)で、OECD加盟35カ国中22位、カナダ (88,518ドル/932万円)や英国(86,490ドル/911万円)をやや下回り、米国(121,187ドル/1,276万円)の概ね6割程度である。

②日米間の生産性格差は、両国企業の価格戦略の違影響されている。

日本企業では小売や飲食、製造業などを中心に、1990年代からのデフレに対応して業務効率化を進め、利益を削ってでも低価格化を実現するという戦略で競争力を強化してきた。
一方、米国企業では生産性の向上によって付加価値を拡大させ、高価格を実現してきた。
こうした両国間の戦略差が生産性の格差を生みだしている(米・コロンビア大学:H.パトリック教授)。

③日本の生産性を向上させるためには、米国で急成長している配車サービス「ウーバー」のような、IT技術をミックスしたサービスの開発が求められる。

米国ではIT技術によるイノベーションがさまざまな産業分野で、新たな付加価値を創出する原動力となって、生産性の向上にもつながっている(米・ハーバード大学:D.ジョルゲンソン教授)。

④日本が米国など主要国との格差を縮めるには、業務の効率化を進めるだけでなく、新しいサービスや製品を生み出して、付加価値を上げることが必要である。


以上のように、日本の労働生産性は今後、大きく改善される可能性があります。

とりわけ、IT技術、AIやロボットなどの導入によって、生産年齢人口や労働力人口の減少をカバーできる可能性はますます広がっていくでしょう。

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