人口減少の2つめの要因は、いうまでもなく〈増加抑制装置〉の作動です。
人口が人口容量の上限に近づくにつれて、日本列島に住む人々の集合的無意識の中に予め備えられていた増加抑制装置、つまり増加を抑えようとする力が作動したのです。
増加抑制装置にも、生理的=生物的抑制装置と人為的=文化的抑制装置の両面があります。
①生理的抑制装置では、出産適齢女性人口の減少や生殖能力低下などが考えられます。
前者については、現代日本の人口集団が数十年の間に徐々に構造変化を続けてきた結果といえるでしょう。
後者については、精子減少、排卵減少、性交不能、不妊症、生理不順、流産・死産の増加などが始まっている可能性があります。
このうち、不妊症と流死産の増加については、◆生物的抑制が始まっている!(2015年3月31日)でデータをあげています。
②人為的抑制装置では、直接的、間接的、政策的の3次元で抑制が始まっています。
1番目の直接的抑制では、妊娠抑制(避妊、性交禁止)、出産抑制(堕胎、嬰児殺し)などは始まっています。
このうち、堕胎=人工妊娠中絶件数の動きについては、◆直接的抑制装置も作動している!(2015年4月10日)の中で述べています。
2番目の間接的抑制では、経済的な生活圧迫をはじめ、結婚抑制、家族・子どもの価値の低下、家族縮小、都市化、社会的頽廃化などが進んでいます。
このうち、結婚抑制、家族・子どもの価値の低下、家族縮小については、◆間接的抑制ではまず増加抑制装置が動いた!(2015年4月17日)でもデータを紹介しています。
3番目の政策的抑制では、筋違いの出産奨励政策がむしろ少子化を加速しています。
この点については、今後のブログで詳しく検討していきます。
以上のように、現代日本では、人口増加を抑える装置もまた、速やかに作動しているのです。
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