このことについては、このブログの「人口減少は極めて〈正常〉な現象!」(2015年3月24日)から「現代日本でも人口抑制装置がすでに作動している!」(2015年5月19日)まで、9回にわたって書き込んでいます。
要点は次のようなものです。
①人口減少は極めて〈正常〉な現象!:2015年3月24日・・・人口容量の制約が近づくと、人間はさまざまな人為的抑制装置を作動させて人口を抑えます。現在の日本で進み始めている人口減少の、本当の理由もここにあります。
②生物的抑制が始まっている!:2015年3月31日・・・幾つかの調査によると、若い世代のセックス離れ、不妊の増加、流死産の増加など、日本人の生物的な生殖能力も低下し始めています。
③生存能力も低下し始めた!:2015年4月4日・・・人口統計によると、死亡数・死亡率が上昇している一方、平均寿命の伸びも縮小し始めています。
④直接的抑制装置も作動している:2015年4月10日・・・人工妊娠中絶件数や自殺数などの人為的抑制装置は1980~90年代から強まっていましたが、2005~08年に人口増加がピークを過ぎて容量に幾分ゆとりが見えると、今度はやや弱まるという動きを見せています。しかし、今後の楽観は許されない状況です。
⑤間接的抑制ではまず増加抑制装置が動いた!:2015年4月17日・・・結婚の抑制、子どもの価値の低下、家族の縮小など増加抑制装置も進んでいます。
⑥もう一つの間接的抑制:減少促進装置も作動!:2015年4月24日・・・自然環境の悪化により、悪性新生物、心疾患、肺炎など健康水準の低下が進むなど、減少促進装置も作動しています。
⑦出産奨励策は期待できるのか?:2015年5月9日・・・直接的、間接的抑制が既に作動していますから、政策的な次元で強力な出産奨励策を実施したとしても、さほどの効果は期待できないでしょう。
⑧減少促進策はすでに実施されている! :2015年5月14日・・・後期高齢者医療制度の負担増、介護保険料の負担増、介護保険・特別養護老人ホーム等費用の負担増など、長寿者の生活を圧迫することで、結果的には死亡者を増やし、人口減少につながっていきます。
⑨現代日本でも人口抑制装置がすでに作動している! :2015年5月19日・・・現代の日本では、生物的抑制(生殖能力低下、若い世代のセックス離れ、流死産の増加、死亡数・死亡率の上昇、平均寿命の伸び率の縮小など)に加えて、人為的=文化的抑制(人工妊娠中絶件数の増減や自殺数の増減、結婚の抑制、子どもの価値の低下、家族の縮小、緩慢な出産奨励策、自殺数の増減、自然環境の悪化や健康水準の低下、長寿者向け社会保障制度の縮減など)もすでに始まっています。
以上のように、人口容量が飽和した現代日本では、すでに人口抑制装置が動き出しています。
人口維持対策や人口増加対策を打ち出す前に、こうした事実を冷静に理解することが必要ではないでしょうか?