歴史的な人口推計については、さまざまな学者の研究がありますが、それらを取捨選択して整合性のある数字を選び出し、それをグラフ化してみると、約4万年前を基点に古代、中世、近代を経て、現代から22世紀に至る、ほぼ5万年間の推移が得られます。
この数値をそのままグラフにしてみると、左図のような極端な急カーブになります。いわゆる指数曲線です。(Population Trends of the World)
そこで、日本人口と同様に、Y軸を正対数、X軸を逆対数にして作図しなおしてみますと、右図に描いたような、幾つかの波が浮かんできます。これまた、かなり明確な5つの波です。
(Population Waves of the World)
これもまた、人間の作り出す文明によって、人口容量が次々に拡大した結果です。
〔世界の人口容量=地球の自然容量×文明〕という式で、右辺の文明が石器文明、農業文明、工業文明と進むにつれて、人口容量が次第に増加してきました。
それゆえ、日本波動と同様に、石器前波、石器後波、農業前波、農業後波、工業現波と名づけますと、それぞれの波の特徴は次のように整理できます。
- 紀元前4万年に始まる「石器前波」は約600万人の波
- 前1万年に始まる「石器後波」は約5000万人の波
- 前3500年に始まる「農業前波」は約2億6000万人の波
- 西暦700年ころに始まる「農業後波」は約4億5000万人の波
- 西暦1500年ころに始まる「工業現波」は約90~110億人の波
1番めと2番めの波は旧石器と新石器という石器文明が、3番めと4番めは粗放農業と集約農業という農業文明がそれぞれ作り出したもの、また最後の波は工業文明が生み出したものです。
人口波動とは、世界人口から日本人口まで、広く共通する現象なのです。