世界の人口推移に5つの波動が生まれた背景を、言語や時代識知の変遷からおおまかに推測してきましたので、ひとまず全体の流れを整理しておきます。
石器前波から工業現波に至る、5つの波動の成立構造としては、基層言語、時代識知、主導文明、生産形態、生産集団などが、下表のように絡み合っています。
5つの成立動向を整理してみましょう。
➀基層言語の変化では、5万年前ころの深層言語の浸透、1万年前あたりの象徴言語の登場、5千年前ころから自然言語の普及、ほぼ3千年前からの思考言語の拡大、600~700年前あたりからの観念言語の普及がおおまかに推定できます。 ➁時代識知の形成過程は、BC5万年頃のマナイズムの浸透、BC9000年頃のアニミズムの普及、BC4000年頃のミソロジーの登場、AD500年前後からのリリジョンの拡大、AD1500年頃のサイエンスの登場が推定されます。 ➂文明の転換は、BC5万年頃の旧石器文明の登場、BC9000年頃からの新石器文明の拡大、BC3500年頃の粗放農業文明の登場、AD400年頃からの集約農業文明への転換、AD1500年頃からの工業文明の進展がほぼ推定できます。 ➃主導生産の進展は、BC5万年頃からからの狩猟・採集の拡大、BC1万年頃からの狩猟、漁撈、初期農耕への移行、BC4000年頃からの農耕、牧畜への進展、AD300~400年頃の農産・畜産の集中的生産方式への移行、AD1400年頃の工業生産の登場へと移行しています。 ➄社会集団の形成では、BC5万年頃からの血縁・地縁集団の浸透、BC1万年頃の血縁・地縁集団、村落住民の登場、BC4000年頃からの同族集団、地縁集団への拡大、AD300~400年頃からの民族集団、広域集団、宗教国家の登場、AD1400年頃からの企業、組合や国民国家、資本主義・社会主義国家の登場などが概ね推定できます。 |
以上のような経緯は、人口波動の流れから推定したものです。
この仮説が通用するものかどうか、歴史的な事象によって、さらに確かめていきましょう。