世界人口の急減が迫っており、各国の対応に関心が集まっています。
すでに人口減少に入った国々、間もなく入ろうとしている国々では、何が起きているのでしょうか。
国際連合2019年予測の低位値に基づき、前回の東欧諸国に続いて、今回は西欧主要国の人口動向をグラフで眺めてみると、各国のピークは次のようなものです。
2つのグラフから、次のような推移が読み取れます。
①2021年までにすでに人口減少が始まっているのは、ギリシャ:2004年~、ポルトガル:2009年~、スペイン:2011年~、イタリア:2017年~、ドイツ:2021年~、フィンランド:2021年~などです。 ②2022年以降になると、オランダ:2024年~、オーストリア:2024年~、フランス:2026年~、ベルギー:2028年~などの国で、減少が始まると予測されています。 ③2030年代以降は、デンマーク:3031年~、イギリス:2033年~、スイス:2043年~、アイルランド:2045年~、スウェーデン:2049年~、ノルウェー:2059年~などでも、減少が始まります。 |
これらのトレンドについては、次のようにコメントできます。
❶ほとんどすべての国で、2050年代までに減少が始まるようですが、2008年以降、人口が減り続けている日本とは異なって、西欧諸国では移住民がかなり多いため、それぞれのピークは幾分遅れるものと思われます。 ❷ギリシャ:2004年~、ポルトガル:2009年~、スペイン:2011年~、イタリア:2017年~と、南欧諸国ではすでに人口減少が続いています。その要因には出生率の低下に加えて、国外移住者の増加が推察されます。 ❸少子化対策などで高く評価されているフランス、オランダ、スウェーデンなども、2020~40年代に減少に入る見込みであり、出生率の改善だけでは減少は止められません。 ❹日本は2009年以降13年間、イタリアは2017年から5年間、ドイツは2021年から・・・と、第二次世界大戦の3つの枢軸国が比較的早く人口減少に入っています。この背景については、当ブログにおいてすでに【容量オーバー時の対応経験で分かれる!】前後で詳しく説明しています。 |
以上のように見てくると、人口減少というトレンドは、もはや全ての国にとって避けられない現象と思われます。
とすれば、現代の人類に求められているのは、人口減少の遅延策や回復策などではなく、減少に最適な社会構造をめざす「人減適応策」の構築ではないでしょうか。