この予測手法は、未来予測の諸研究で循環法とよばれてきた予測方法の一つです。
未来予測では従来から、基本的な方法として、外挿法(Extrapolation)、規範法(Normative Forecasting)、循環法(Cyclic Forecasting)という3つの方法が行われてきました。
3つの手法の内容は次のようなものです。
①外挿法・・・過去のトレンドの延長線上に未来を展望しようとするもので、一般的には統計的予測、計量経済モデル、システム・ダイナミックスなど、コンピューターを駆使した定量的(数量的)予測として実施されています。
具体例としては、多くの企業が行う商品の需要予測、政府やシンクタンクが行う毎年の経済見通し、国際的な研究集団のローマクラブが行った、21世紀の世界を展望する「ワールド3」モデル(1992)などがあります。
こうした方法では、過去の統計推移や数量的変化を材料に、時間や関連項目との関係を説明する方程式を作り、この式を使って未来の事象を予測していきます。
言い換えれば、さまざまな事象の過去の動きや事象間の因果関係を調べ、それらを構造化したうえで、その構造が将来にも続いていくという仮定のもとに、未来の事象を予測していくものです。
過去のトレンドが未来にも続いていく、という考え方が基本になっていますから、過去を未来に“外挿”するという名前がつけられています。
②規範法・・・先に一定の目標を設定し、その目標を実現するための、さまざまな要素を選んで関連をつけ、要素ごとの実現性を検討することで目標の実現可能性を推定していこうとするものです。
実際には、最も直観的なデルファイ法(例・ガンの特効薬が発明される時期の予想)などを基にして、それぞれの関連性を整理したクロスインパクト・マトリックス法(例・ガン特効薬の発明に関わる諸条件を整理した上で、それぞれの実現可能性から目標の実現度を予想する)や関連樹木法(例・ガン特効薬の発明に関わる諸手段をツリー上に整理したうえで、それぞれの実現可能性から最終目標の実現度を予想する)といった方法が行われています。
未来の事象が最初に目標として設定され、そこに至るさまざまな要素の“規範”となっていることから、この名で呼ばれています。
③循環法・・・経済学者や社会学者の間で特に使われている方法で、例えば経済学では、キチン・サイクル、ジュグラー・サイクル、建築循環、コンドラチェフ長波といった手法で、景気の循環が予測されています【経済学の循環論:2018年11月6日:参照】。
また社会学でも、コンドラチェフ長波の50~60年サイクルを応用して、社会予測をする学者が増えています。
循環法とは、時代の流れの中に波動を見つけ出して、その動きを追うことで未来を読み取ろうとするものです。
この方法は古くからありましたが、最近特に注目されているのは、社会や経済の変化があまりにも大きくなって、過去の推移や経験を前提にした方法が通用しなくなっているからです。
外挿法や規範法は、過去からのトレンドが今後も続いていくということを大前提にしていますが、最近の社会状勢は過去からのトレンドそのものを大きく超えて動きだそうとしています。そうなると、単純なトレンドや直観では不十分ですから、世の中には一定の波がある、という視点から、改めて予測をしようということになったのです。
以上は拙著『人口減少・日本はこう変わる』(2003)による
具体例としては、多くの企業が行う商品の需要予測、政府やシンクタンクが行う毎年の経済見通し、国際的な研究集団のローマクラブが行った、21世紀の世界を展望する「ワールド3」モデル(1992)などがあります。
こうした方法では、過去の統計推移や数量的変化を材料に、時間や関連項目との関係を説明する方程式を作り、この式を使って未来の事象を予測していきます。
言い換えれば、さまざまな事象の過去の動きや事象間の因果関係を調べ、それらを構造化したうえで、その構造が将来にも続いていくという仮定のもとに、未来の事象を予測していくものです。
過去のトレンドが未来にも続いていく、という考え方が基本になっていますから、過去を未来に“外挿”するという名前がつけられています。
②規範法・・・先に一定の目標を設定し、その目標を実現するための、さまざまな要素を選んで関連をつけ、要素ごとの実現性を検討することで目標の実現可能性を推定していこうとするものです。
実際には、最も直観的なデルファイ法(例・ガンの特効薬が発明される時期の予想)などを基にして、それぞれの関連性を整理したクロスインパクト・マトリックス法(例・ガン特効薬の発明に関わる諸条件を整理した上で、それぞれの実現可能性から目標の実現度を予想する)や関連樹木法(例・ガン特効薬の発明に関わる諸手段をツリー上に整理したうえで、それぞれの実現可能性から最終目標の実現度を予想する)といった方法が行われています。
未来の事象が最初に目標として設定され、そこに至るさまざまな要素の“規範”となっていることから、この名で呼ばれています。
③循環法・・・経済学者や社会学者の間で特に使われている方法で、例えば経済学では、キチン・サイクル、ジュグラー・サイクル、建築循環、コンドラチェフ長波といった手法で、景気の循環が予測されています【経済学の循環論:2018年11月6日:参照】。
また社会学でも、コンドラチェフ長波の50~60年サイクルを応用して、社会予測をする学者が増えています。
循環法とは、時代の流れの中に波動を見つけ出して、その動きを追うことで未来を読み取ろうとするものです。
この方法は古くからありましたが、最近特に注目されているのは、社会や経済の変化があまりにも大きくなって、過去の推移や経験を前提にした方法が通用しなくなっているからです。
外挿法や規範法は、過去からのトレンドが今後も続いていくということを大前提にしていますが、最近の社会状勢は過去からのトレンドそのものを大きく超えて動きだそうとしています。そうなると、単純なトレンドや直観では不十分ですから、世の中には一定の波がある、という視点から、改めて予測をしようということになったのです。
以上は拙著『人口減少・日本はこう変わる』(2003)による
以上に挙げた、3つの予測手法のうち、筆者が新たに提唱した人口波動法は概ね、3番めの循環法に相当します。
概ねというのは、【経済学の循環論とは大きく異なる!:2018年11月6日】で述べた通り、次の点で大きく異なっているからです。
①説明変数を「時間的尺度」でなく「文明の転換」においている。
②サイクル、循環の期間は一定の時間ではない。
③一つ一つの進行過程は同型ではなく、独自の進行パターンを持っている。
②サイクル、循環の期間は一定の時間ではない。
③一つ一つの進行過程は同型ではなく、独自の進行パターンを持っている。
どのように違っているのか、もう少し考えていきましょう。